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日本人向けのフリーペーパー「OVNI」で見つけた「フジコヘミング&ハイドンカルテット」のコンサートへ行ってきた。

とにかく驚いたのがチケット代。28ユーロ(約3,400円)と信じられない安さ。

チケットはオペラ地区にある旅行代理店ボヤージュアラカルトで入手。

コンサートのチケットのほか、航空券やミュージアムパス、観光ツアーなども扱っていて、日本の方が対応してくれる。

コンサート会場はルーブル美術館北側、サントノレ通りにあるオラトワールデュルーブルという教会。

スタートは20時からと少し遅めで、軽く一杯飲んでからコンサートに行くのが定番スタイル。

時間に対してはゆる~いフランスなので時間ぴったりに行っても大丈夫だろうと思っていたが、客層を見誤った。大半が日本人(見たところ7~8割)。

15分前に着いたが既に行列ができていた。やはり日本人は並ぶのが気にならないみたいだ。

教会はこじんまりとしているが十分な天井高で音響的にも期待が高まる。

スタート予定時間から遅れること20分、司会の方が出てきてフランス語と日本語で注意事項やプログラムを説明してくれる。

教会なのでトイレはありませんと言われ、なるほどと少し感心してしまった。外に出て用を済ませ再入場時にチケットを提示するシステム。

プログラムの方は、フジコヘミングの演目が2曲追加されたと発表があった。更にお得感が高まる。

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まずはハイドンカルテット。オーストリアのグループで、フジコヘミングとは何度か共演をしていて、昨年の6月も一緒に来日している。

とにかく上手い!今まで聴いた中で一番良いカルテット。

呼吸、ピッチ、テンポ感、感情表現どれをとってもスキがない。特に1stヴァイオリンとチェロが素晴らしかった!もうこれだけでも28ユーロ以上の価値あり。

音響も素晴らしく、空間が広すぎないので残響が程よい長さだった。

 

ハイドンカルテットが退場すると続いてチャーミングな衣装でフジコヘミングが登場。

ゆっくりとした足取りでピアノに向かい軽く挨拶をしてピアノ椅子に座り衣装を整える。

最初の音を弾く前のほんのわずかな間に緊張が走った。もうここで引き込まれた。そして演奏が始まる。

 

少なくとも僕のボキャブラリには彼女のプレイを表現する言葉が見つからない。

どの曲かは忘れたが、高音から低音へかけ下り、そして高音へ駆け上がるフレーズに彼女の人生が込められている気がした。

自分の人生をすべて受け入れている人が発する音、とでも言おうか。

「あの時こうしていたら」とか「もっとこうしていれば」というタラレバではなく、良いことも悪いことも過去も現在も未来もすべて自分の人生、誰のせいでもない誰のものでもない自分の人生、と言われている気がした。

曲はコンテンポラリーなのに彼女のオリジナル曲に聴こえる。演奏の奥深さを思い知らされた。

 

最後はカルテットと共演、これも素晴らしかったが、正直別々の演奏の時が一番良かった。そして終演、約2時間のコンサートだった。

とにかく素晴らしかった!

良い演奏、良い作品、良い食事、良いお酒はどれも後味が似ている気がした。